営業マンではなくアドバイザーになる

生活に根付いたアドバイスをする

初めてベビーカーを買いに行った時のことです。
お店にはベビーカーが何十種類も展示されていました。
POPを見ると価格も機能もピンキリです。

私はどれを選んだらよいのかわからず店員さんに尋ねました。
すると店員さんはそれぞれの機能を丁寧に説明してくれました。
お蔭様でメーカー毎の特徴はよく理解できたのですが、
どの商品が私の生活に合っているのかがわかりませんでした。

私は車での移動が多く、電車にはあまり乗りません。
また、自宅の近くは舗装されていない道路があります。

こうした普段の生活を踏まえたうえで、
アドバイスしてくれれば即決できたかもしれませんが、
結局、友人に相談してから購入することにしました。
時々、熱心に商品説明をする店員さんや
値段と仕様しか書かれていないPOPをみかけます。

しかし、どんなに素晴らしい機能や性能も、
自分に適していない商品は宝の持ち腐れになってしまいます。

お客さんが本当に欲しいのは
「自分の居住事情や生活環境に適した商品」です。

たとえば、大容量の冷蔵庫よりも背の低い私でも使いやすい冷蔵庫、
高画質のテレビよりも視力の弱い祖父が見やすいテレビ、
乾燥機能が優れている洗濯機よりも
運動部で使う短い時間でたくさん洗濯できる洗濯機など、
それぞれの事情によって適した商品は異なります。

お客さんはこうした事情を加味したプロのアドバイスが欲しいのです。

地域店の強みはなんといってもお客さんと会って話ができることです。
会って話すからこそ、お客さんの個別のニーズを聞くことができますし、
それぞれの事情に合わせた個別提案ができるのです。

「セールスマン」ではなく「アドバイザー」になる

全国を対象とした大型量販店や薄利多売をしている通信販売店は
ひとりひとりのニーズに対応できません。

そこで地域店の出番です。
お客さんに会って、お客さんがどんなことにお困りで、
どんな商品を探しているのかを直接聞けるのは
地域店ならではの特徴です。

お客さんのお悩みを聞くことができれば、
お役にたてる情報や知識をもっと伝えることができます。

たとえば、電器屋さんならTVの録画の仕方、
歯医者さんなら歯磨きの仕方、
美容室ならブローの仕方、
葬儀屋さんなら遺書の書き方など、
業界人にとっては当たり前のようなことでも
お客さんにとっては「へぇー!なるほど!」と
目から鱗の業界知識は山ほどあります。

こうしたプロのノウハウを営業トークだけでなく、
ミニ講座や小冊子、POP、HP、ブログなど
様々な方法で伝えることで
「セールスマン」は「アドバイザー」になることができます。

かかりつけのお医者さんのように
「何かあったらこの人に聞こう!」と、
頼られる存在になれば、自然とお客さんは店舗に足を運んでくれます。

是非、お客さんが気軽に相談できる機会や、
専門家としての情報発信など、
地域に根差した環境づくりをしてみていかがでしょうか。


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