集客を目的としたサービスには大きくわけてふた通りあります。
ひとつは今ある商品価値から何かを「マイナスするサービス」、
もうひとつは今ある商品価値に何かを「プラスするサービス」です。
簡単にいうと
100円のペットボトル飲料を「10円引き」にするのが「マイナスするサービス」、
100円のペットボトルに「10円分のおまけ」をつけるのが「プラスするサービス」です。
ある家電量販店では客足が減る猛暑日に集客をしようと
「ポイント還元サービス」(事実上のマイナスするサービス)を実施していました。
ところが、お客さんは会計時にスタッフから説明を受けて
「あ、そうなんですか。」と初めてポイント還元サービスを知った様子でした。
これでは「ポイント還元サービスがあるから来店した」のではなく
「来店したらポイント還元サービスをやっていた」ことなってしまい、
せっかくの「猛暑日サービス」が来店動機になっていません。
一方、あるデパートでは「猛暑日サービス」として、
スイカ1カットを無料で配る(プラスするサービス)を行っていました。
すると、お客さんはスイカにつられて店内に吸い込まれるように入っていき、
そのまま涼しい店内で買い物をしはじめたのです。
つまり、プラスするサービスはマイナスするサービスに比べて
お得感を出しやすく、興味も引くため
来店動機につながりやすいのです。
他にも、寒い日にホッカイロを配布したり、
暑い日に冷たい麦茶を配布したり、
お酒を購入して下さった方におちょこをプレゼントしたり、
ランチにデザート・コーヒーをつけたり、
お菓子を買ったお客様に休憩所を提供したり、
ポテトチップに野球選手のカードをつけたり、
ハンバーガーセットにおもちゃをつけるなど、
プラスするサービスは工夫次第で自店ならではの特徴をPRすることができます。
先日伺った居酒屋さんでは自家製の「お味噌」をお土産に渡していました。
私もいただいたのですが、正直なところ、その日はかなり酔っていて覚えていませんでした。しかし、次の日、いただいたお味噌を見て、昨夜行ったお店のことを思いだし、
そのお味噌を使う時、居酒屋さんのことを家族に話しました。
私はお土産にお味噌をもらったことで、味を思い出したり、
人に話したりして、昨夜行った居酒屋のことを記憶に刻みこんだのです。
もし、これがマイナスするサービスだったら、
次の日に「割引サービスが嬉しかった!」と思い出したり、
「無料サービス券をもらった!」と人に話したりすることはなかったでしょう。
お店側の心がこもったプラスするサービスだからこそ
話題にしたのです。
なによりも「どうすればお客さんに喜んでもらえるだろう」と
考える『時間』や『気持ち』がお客さんの気持ちを掴むのです。