作業工程を伝える

お客さんは常に自分の価値観に照らし合わせて商品やお店や営業マンを選んでいます。
お客さんに最善な判断をしていただくためには商品の特徴、お店の特徴、社員の特徴など
「判断基準を伝える」ことが大切です。

私は時々、セミナーで
2つのおせちの写真を参加者に見せ、
大手百貨店で販売している20000円のおせちと
㈱西原屋が販売している20000円のおせちと
どちらを買いますか?という質問をします。

すると半分以上の参加者は大手百貨店のおせちを選びます。
(株)西原屋という会社を知っている参加者はいませんから、
知名度がある大手百貨店の商品を選ぶのは当然といえば当然です。

ところが、(株)西原屋のおせちがどんなものかを伝えると
ほとんどの人が「(株)西原屋のおせちを買う」と意見を翻します。

情報を得たことによって、
自分にとってどちらの商品が良いのか
判断しなおすことができたからです。

大手百貨店のおせちと(株)西原屋のおせちの
一番の違いは「冷凍配送」か「冷蔵配送」かです。

大手百貨店に限らず、通信販売など
多量生産しているおせちの多くは冷凍配送です。

年末に一斉に多量販売するためには
事前に仕込みをしなければ間に合わないからです。
だから、何か月も前から具材を仕込み、冷凍保存しておくのです。

一方、(株)西原屋のおせちは
配送前日に調理人が総動員でおせちを作ります。

だから出来立てを「冷蔵」でお届けできるのです。

さらに、(株)西原屋は生産から販売まで自社で行っているため
小売店へ支払う流通コストが一切かかっていません。

以前、大手百貨店から取引の申し出もあったそうですが
百貨店に支払う看板料を捻出するには
価格を上げるか、原価を抑えなければなりません。

それでは、これまでの価格と品質を維持できなくなってしまいます。

 

他社が百貨店に支払っている看板料の分、
当社では食材費に充てようと
大手百貨店との取引は見合わせたそうです。

つまり、㈱西原屋のおせちは
原価率が高く、出来立てを冷蔵で送るため
コストパフォーマンスが高いのです。

このことを伝えると
さっきまで「大手百貨店で販売しているおせちを買う」と言っていたほとんどの方が
「それは知らなかった。だったら(株)西原屋のおせちを食べてみたい。」と
(株)西原屋のおせちを選び直します。

私がお伝えしたのは(株)西原屋の特徴のほんの一部です。
しかし、このようにお客さんに選ぶ基準を伝えることで
判断はいとも簡単に変わってしまいます。

商品を買う理由はそれぞれです。

たとえば、外食する際も
美味しければ良いという人もいますし、
安ければ良いという人もいます。

ちなみに私は接客が良いお店を選びます。

たとえ同じ商品を売っていても
どのお店で、誰から買えば一番良いのか
お客さんは自分の価値観に照らし合わせて常に選んでいます。

写真と価格だけでは自分にとって何が一番良いのか判断できません。

お客さんに最善な判断をしていただくためにも
もっともっと商品の特徴、お店の特徴、社員の特徴など
「判断基準を伝える」ことが大切なのです。

 


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