安売りは経営を悪化させる

十数年前、画期的な雑誌が創刊されました。
クーポン誌です。

雑誌はお金を出して購入するのが常識だった時代に
路上で無料配布!
しかも、全ページがクーポン券!
割引好きには夢のような雑誌として注目を集めました。

クーポン誌はものすごい勢いで広まりました。
創刊号は厚さ1センチあるかないか薄ぅ〜い雑誌だったのに、
1年後にはページ数も配布エリアも拡大しました。
読者も増え、集客効果は絶大でした。

あれから十余年。
今や広告代理店だけでなく、新聞社や行政もフリーペーパーを発行するようになりました。
クーポン誌は町のあちこちで配布され、珍しくなくなりました。

いつでもどこでも手に入るクーポン誌。
飽和状態になったクーポン誌の反響は
昔に比べて、お得感が薄れ、反響も下がりました。

今は「クーポン券があるから行こう」というよりも
「行きたいお店があるから、クーポン券があるか探してみよう。」
とクーポン券があればラッキー、と思う程度です。

もはや、クーポン券は「来店動機」にならなくなってしまいました。

お客様にあまりお得感を感じてもらっていないクーポン券ですが、
お店にとっては大変な事態です。

値引きをすれば当然、利益が減ります。
利益が減れば、経費を抑えなければなりません。

仕入れの価格を下げたり、
アルバイトの時給を下げたり、
商品・サービスの質を下げたりしなければなりません。

結果、これまで自分たちのお店を贔屓にしてくれていた上客が
「最近、商品の品質やサービスが低下したよね。」と
お店を離れていきます。

こうして、
「一生懸命やっているのにお客様が離れていく」
という悪循環に陥っていくのです。

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